こんにちは!Chihiroです(/・ω・)/
今回はドリアンではなく鶏のお話です(ドリアンハンターなのにw)
私の師匠の農場では鶏がある程度成長すると、日中放し飼いにします。
一般的に養鶏と言うと、主にケージ飼い、平飼い、放し飼いの3種類があるのですが、
これらの違いは以下の記事で解説しています(/・ω・)/
しかし放し飼いと言っても師匠のやり方はただの放し飼いではなく、
柵の全くないおよそ2ha(5acre)の農場を、
鶏たちは本能の赴くままにエサを求めて走り回ることができます。
私たちはこれをBoaderless Free Rangeと呼んでいます。
鶏たちは好きなエサを思うままに得られるというメリットがある反面、
もちろんデメリットもあります。
それは、天敵です。
天敵は鷹だったり、野犬だったり、蛇だったり
まぁこれがたくさんいるんです。
物理的な防除、対策をしても、いたちごっこなんですよね。
鶏たちの幸せのために放し飼いにする反面、天敵の心配は常にあります。
ですが、放し飼いにすることで今まで知らなかった鶏たちそれぞれの
性格が垣間見られるのが、このBoaderless Free Rangeの醍醐味でもあります♪
農場には主に2種類の鶏がいます。
1種は採卵用の白い鶏(英語でLayer hensなのでそのままレイヤーヘンズと呼んでいます)、
2種目は食肉となる茶色もしくは白黒の鶏、マレー語でAyam Gajahと言い、私たちはガジャと呼んでます。
白いレイヤーヘンズの方が綺麗で可愛らしくて気に入るかと思いきや、
いつの間にか私はガジャの虜になってましたw
昔、ガジャが小さい頃、
お腹が空くと、とある生き物を食べ始めるのです。
何だと思います?
答えは・・・
友達です( ̄▽ ̄;)
言い換えると共喰いと言いますw
当時はなんてアグレッシブな鶏かと思いましたが(;・∀・)
最終的にいろんな要因で数が減るにつれて
200羽が8羽になりました。
この8羽こそが私のガジャに対する認識を
変えたサバイバーでした。
いろんな要因の1つはもちろん
屠殺のために私たちがガジャを連れて行ったこと。
連れて行かれた仲間が
それ以降帰ってこなくなって、
そんな状況を目の当たりにしていたガジャたち。
ガジャたちは気づいていないのだろうか?
いや、きっとこの状況を理解しているはず。
それなのに
ガジャはむしろ
私たちに近づいてきて、
さらには甘え始めたのです。
あれだけ私たちに追い回されて
必死で逃げ回って
怖さもあっただろうのに
何故それでもなお、私たちに近づけるのか?
この8羽は本当に賢いと思うのです。
ついに私たちはこの8羽と屠殺しないと
約束しました。養鶏農家なのにw
もちろんまだ私たちの事を
怖がるガジャもいました。
だけど、ちょっとでも私たちと
触れ合おうとするガジャもいました。
とある1羽のガジャは、
くちばしをすりすりと、
ヒトの履いているブーツを食後のナプキン代わりにしたり、
くちばしでヒトの足をノックして気を引いたり。
ヒトの足の上に座ったり。
遂にはそのまま眠りに落ちます。
そうして自然に屠殺する意欲を削がれてしまいました。
養鶏農家なのに(;・∀・)(汗
そうした結果、ガジャを屠殺するのは諦めて、
一緒に生きようと決めたのです。
しかし200羽から8羽までを生き残るのは
簡単ではありません。
この8羽はいろんな経験をして
危機的状況も乗り越えてきました。
そこで私は考え始めました。
ガジャの幸せって何だろう?
この生活はガジャにとって幸せなのかな?
例え一生をかけても私には
ガジャの夢を知り得なかったとしても、
ガジャには幸せに毎日を過ごしてほしい。
ガジャはレイヤーヘンズよりも
丸々ふっくらしてて(特にお尻がw)
体重も3,4kgとかなり重くて
きっとレイヤーヘンズと比べると
長い命ではないかもしれない。
だからこそ毎日を幸せに過ごしてほしい。
“”””””
涼しい朝は食べ物探して旅に出て
暑くなったら木陰で休んで
ランチタイムは主の休憩所で
主に日頃の不満をぶつけたら、
その後は友達とおしゃべり。
みんなで一緒に休んで
ついでにお昼寝もして
ご飯のおこぼれ目掛けてちょっと運動して
ランチ後は身だしなみ整えて
暇だったからちょっと主の足元を
何回か突いてみたら、
痛いって怒られたけど
主の身だしなみを
整えようとしたんだよ
たまに主は膝に乗せて
撫でてくれたから
一度は自分から主の膝に
乗ってみたかったけど
ちょっと高さが足りなかったみたい
(主コメ:結果乗れなくてずり落ちてましたw)
“””
嵐の夜の明け方、
私はとある1羽の屍を
目の当たりにしました。
1羽見れただけでも良かった、
もう1羽は屍すらありませんでした。
8/200の生き残りが
こんなに急に連れていかれるなんて
天敵に噛まれた瞬間、痛かったかもしれない
もしかしたら屠殺の方が
痛まなかったかもしれない
これまでの9か月間、
ガジャは幸せだったのかな?
もちろんガジャが幸せだったかどうかは
ヒトが決めることじゃない。
幸せを分かち合う方法は
言葉だけじゃない、
心と心が繋がる感覚。
一緒にいると安心してお昼寝できて、
ヒトも鶏も気の置けない仲間だから
冗談みたいなやりとりもして。
主はガジャたちと一緒に時間を過ごせて
毎日がとても幸せだったから
ガジャたちも幸せだったと信じたいし、
これからもどこにいても
幸せであってほしいと願う。
天国でも美味しいドリアンを
つついてほおばって、
丁度いい高さのナプキンを見つけてほしい。
きっとまたどこかで逢えると
信じているので、この経験とこの命を
無駄にしないように、
今いる鶏たちをできる限り最大限、
大切に守ると決めました。