人が食事制限をする理由
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人が食事制限をする理由

人は何のために食事制限をするのでしょうか?
日本だとダイエットアレルギーへの配慮など、健康のために食事制限することは割と一般的だと思います。
その一方で日本の外に出てみると、日本で生活していたら想像し難い理由で食事制限をする人がいることがわかります。

例えば宗教的な理由による食事制限。

イスラム教徒は豚肉を食べない
ヒンドゥー教徒は牛肉を食べない

この2つの話は比較的有名だと思います。
しかし食事制限を実践する宗教はイスラムとヒンドゥーだけではなかったのです。
また、宗教的理由以外にも倫理的な観点で食事制限を行なっている人々がいます。

今回は実際に私がマレーシアや台湾で食事制限をする友人から聞いた、
日本では知り得なかったであろう、
人が食事制限をする理由と背景を紹介します。

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Contents

牛肉を食べない東南アジアの華僑

牛肉を食べない人が東南アジアの中華系に多いと言われています。
香港、タイ、シンガポール、マレーシアなどなど。
確かに各国の料理を思い浮かべても牛肉を使った名物料理はなかなか出てきません…
ではなぜ彼らは牛肉を食べないのでしょうか?

仏教徒の中でも観音信仰しているから

観音様を信仰している仏教徒には牛肉を食べない人がいます。
というのも観音様の父親が生まれ変わったのが牛だったから。

中華系マレーシア人である私の友人の場合は、親がそうした宗教的な理由で牛肉を食べないためにその影響を受けたとのこと。
友人も牛肉を全く食べないわけじゃないけど、できる限り食べないようにしているらしいです。もちろん母親と一緒にいる時に食べることはありません。

牛肉が美味しくないから

別の中華系マレーシアの友人は、そもそも美味しい牛肉がないと言っていました。
マレーシアに住む日本人の先輩も、こっちであんまり美味しい牛肉ってないよね、と。私も同感です。日本の牛肉のクオリティの高さはやはりピカイチです。

台湾にも意外と多いベジタリアン(菜食主義者)

台湾に行くと素食と書かれた飲食店をよく見かけます。
Wikiによると台湾のベジタリアンの割合は人口の13%とのことです。つまり8人に1人がベジタリアン。
参考: https://en.m.wikipedia.org/wiki/Vegetarianism_by_country

ちなみに日本のベジタリアン人口の割合を見てみると、
日本は4.7%
となっています。

仏教は殺生を避けるためにそもそもベジタリアン

そもそも仏教は殺生を避けるという考えがあるため、信仰心の強い仏教徒には菜食主義の人がいます。
台湾も高齢の世代には敬虔な仏教徒が多く、ベジタリアンが存在します。

しかしながら高齢者だけにベジタリアンが多いというわけではなく、
最近は若者の間でもベジタリアンが増えてきているようです。

食肉となる家畜がかわいそうと思ってベジタリアンになる

台湾の若者全員が当てはまるわけではないでしょうが、
私の台湾の友人がベジタリアンになったのがこの理由だそうです。
この理由においてかわいそうという言葉には2つの意味が含まれています。

1つは人間が食べるために意図的に殺される動物がかわいそうであるということ。
家畜として育てられた動物がかわいそうかどうかは別議論になりますが、
友人は自分だったら食べるために動物を殺すことはできない、と言っていました。

もう1つは劣悪な飼育環境で育てられる動物がかわいそうであるということ。
大量生産、安価供給のための大量密飼い、太陽光の当たらない狭いところでおよそまともととは言えない生活を強いられる家畜が多いのも事実。

友人はそうした劣悪環境で育てることに反対して肉を食べないと言っていました。
私は、ちゃんと家畜に優しい環境で飼育されている場合もあるよと言いましたが、
友人は今の社会ではどういった飼育環境で育てられたのかがわからないからいっそのこと全く肉を食べないようにしようと思った、と言っていました。

どちらの意味にも共通して言えるのは、この台湾の友人は食肉が自分の目の前に来るまでの家畜の辿ってきた道のりを想像できているということです。
自分の知らないところで実際に起きていることを知り、それに対して具体的なアクションを取れる。素晴らしいことだと思います。

日本と比べてみると

マレーシアや台湾で食事制限をする理由を実際に聞いてみて、
日本での食の現状はどうだろうかと考えてみました。

まずいものに出くわさない

牛肉も豚肉も日本だと美味しく調理されるので
私だったら今後一切肉食べないというのは苦渋の決断になるでしょう。
ベジタリアンとして育ってきたなら話は別ですか。

周りに合わせる文化

みんなと一緒という事実に安心感を抱きやすい日本人にとって、
自分1人だけがこれをしているという事実には不安と孤独感がつきまといます。
例えば自分が牛肉を食べないと決めたとして周りにも同じように牛肉を食べる人がいなければ意外とすんなり牛肉を食べない食生活にも慣れていくでしょう。

そもそも食肉が店に並ぶまでの経緯を想像するきっかけがない

最近の日本の子どもは魚の切り身がその状態で水の中を泳いでると思っている、なんて話を耳にしたことがあります。

これ、あながち笑えない話です。

マレーシアでは鶏が頭も爪もついてまるごと解体されないまま売られていたりします。
私も最初はおおお!リアル!とびっくりしました。
まるごと鶏の体が食肉として売られている。
一度見てショックでしばらく鶏を食べられなくなったという人もいるんじゃないでしょうか。
マレーシアだけでなく東南アジアではそうやって家畜の生前の姿が想像しやすい形のまま売られている国も多いと思います。
しかし日本ではほぼ見ることのない光景です。
日本で鶏肉は鶏の姿が想像しにくい形に解体されて売られています。
生前の家畜の姿を想像しにくいために人がそれに無関心でいられ、
それが当然だと思う。
家畜が食肉になるべく屠殺され、解体されてからスーパーに並ぶ。
その事実があまりにも人々の生活から遠く乖離しているような気がします。

まとめ

今回はマレーシアと台湾の友人の話を元に日本の食の現状について考えてみました。
次回は食の選択をテーマに書いていこうと思います。
ありがとうございました。

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