今回も韓国式自然農法で使われる資材について見ていきまーす(*・ω・)ノ
今回はFPJです。
FPJはFermented Plant Juiceの略。直訳すると植物発酵液です。
私もマレーシアの農場で2回くらい作らせてもらったことがあるので、思い出深いものです(๑˃̵ᴗ˂̵)
当時の写真も織り交ぜながら、学んだことののおさらいという意味でもここに記事として残していきたいと思います(*・ω・)ノ
Contents
FPJ(Fermented Plant Juice)とは
FPJとは植物の樹液やクロロフィルの抽出物を発酵させたものです。
植物や動物を元気にする乳酸菌や酵母菌といったたくさんの微生物を豊富に含む酵素液です。
FPJは主に植物の栄養生長の手助けをします(๑˃̵ᴗ˂̵)
FPJに使える植物の種類
FPJの材料としては寒さに強く、春によく育つ植物が適しています。これは極端な気候の変化にも耐えられる植物の性質を活用する為です。
早く元気に育つ植物を使用しましょう。とても活発な成長ホルモンを持っています。この特徴は、どの植物にも、弱くなったり健康状態が悪くなったりしてもそれらを改善することができます。
例えばタケノコや、豊富な成長ホルモンを持つ全ての種類の植物のわき芽が良いでしょう。
また、摘果されたフルーツは植物を健康にし、葉を厚くし、実を厚くするたくさんのジベレリンという成長ホルモンが含まれています。
FPJの作り方
材料
- ヨモギ or アマランサス or タケノコ
- 未精製糖 or ブラウンシュガー
- 壺 or ガラス瓶
- 浸透性のある紙(ペーパータオル)
- ゴム or ひも
材料となる植物を集める時期
過度な直射日光や雨の多い時期は避けましょう。過度な直射日光は栄養素を蒸発させます。雨が多いと大切な栄養素や微生物を流してしまうことがあります。雨季に集める時は、降雨から2日後に集めると良いでしょう。
また、太陽が昇る前に植物材料を集めましょう。植物は日の出前に一番良い湿気レベルを保っているのです。
手順
1. 水を使わずに植物の汚れを払い落とします。水洗いすると有効な微生物が流されてしまいます。材料が大きすぎる時は、3-5cmの大きさに切りましょう。こうすることで、浸透圧を促進し、接触面を増やすことができます。(異なる種類の植物を1つの入れ物に混ぜないようにしましょう。1つの植物につき、1つの入れ物を使いましょう。)
2. 材料の重さを図り、ブラウンシュガーの量を調整します。ブラウンシュガーは材料の半分くらいが目安です。植物の湿気レベルに応じてブラウンシュガーを足し引きしましょう。
3. 材料とブラウンシュガーを大きいコンテナに入れ、手でかき混ぜましょう。そして浸透性のある紙で蓋をし、1-2時間置きます。
混ぜていくとタケノコの水分が出て、ねちょねちょしてきます(*゚▽゚)ノ
4. 混ぜたものを壺に移します。壺の3/4くらいを満たすと良いでしょう。満タンでもいけませんが、少なすぎるのもよくありません。空白のスペースは空白ではないのです。適量の空気があることで、適切な発酵が発生します。
5. 壺の中の空気量をコントロールするため重石を入れましょう。
6. 壺に蓋をし、紐で縛りましょう。虫が入り込むのを防ぐために、蓋は必要です。空気を出入りさせるために紙を使うのが理想的です。
7. 1, 2日後に重石を取り除き、再び蓋をします。
8. 壺を涼しい日陰に置きます。発酵中は開けたり、動かしたり、混ぜたりしてはいけません。
作り方のポイント
1. 糖蜜(モラセス)は浸透圧を上げる水分を含みすぎるため、おすすめしません。発酵にはブラウンシュガーが最適です。
2. 時々小さい泡もしくは菌類が入れ物の中に出てくることがあります。それはブラウンシュガーが足りないもしくは空のスペースと材料の量のバランスが悪いという証拠です。この場合、少しブラウンシュガーを足して混ぜ、濾した後に保存しましょう。
3. 過度な日光と暑さを避けて植物を収集しましょう。暑い天候が続くのにFPJを作らなければならない時は日の出前、植物や葉を集める1日前に水をやりましょう。
4. 過度な雨季に植物を収集するのは避けましょう。雨は乳酸菌や葉にいる酵母菌を洗い流してしまいます。FPJをこの時期に作らなければならないとき、この液体は粘り濃くなってしまい、発酵がよく進みません。これは発酵の前に材料を洗ってはいけない理由と同じです。雨から2,3日経過した植物を収集するようにしましょう。
5. 道端の植物は汚染されているので、収集しないようにしましょう。
FPJを使うタイミング
- 発芽から早期の栄養生長段階。
ヨモギ(マグワート、オウシュウヨモギとも言う)、タケノコのFPJを植物のこの段階に使うと冷気への抵抗力をつけ、早く強く育つのを助けます。この段階ではFPJは濃度を低く、1000倍に希釈して使いましょう。 - 栄養生長段階。
クズウコンやタケノコのFPJや葦(アシ,堅い茎を持つ水地もしくは湿地帯で育つイネ科の草)を使うと植物が必要な窒素量を得るのに役立ちます。この段階でFPJは一般的な濃度、800倍〜1000倍に希釈して使うことができます。 - 虫が存在する時。
FPJは虫から植物を遠ざけるためにも使うことができます。FPJと米ぬかを混ぜて土に撒くと、果樹周りにいる虫を地表に誘い込み、果実に虫が入り込むのを防ぐことができます。
FPJを使わない方がいいケース
- 長期的な雨もしくは曇りが続く場合。
栄養生長しすぎてしまいます。 - その植物自体から作られたFPJ。
生長を促進しすぎてしまいます。 - 植物が酸性もしくは窒素過多の場合。
虫を寄せ付けやすくなります。 - 風通しが悪く湿気が多すぎる場合。
菌の増殖を促進してしまいます。
FPJの使い方
普通、FPJは水で800倍もしくは1000倍に薄めます。
FPJがほかの自然農法投入物と一緒に使われる時、さらに水を足す必要があります。以下の植物は同じ植物のFPJを使うとより効果を発揮します。
- ナス科(トマト、チリ、ナスなど)の植物、トマトの茎のわき芽や葉はトマトに良い。
- サツマイモを圧搾したものはサツマイモに良い。
- 摘み取った芽(化学物質に汚染されていないもの)
FPJの保存方法
1. ポリエチレンもしくはガラス製もしくは土製の入れ物を入れ物として使うことができます。ガラス製の入れ物であれば、茶色のものを使いましょう。
2. 涼しいところに保存しましょう。直射日光が当たらず、気温が変動しにくい所を選びましょう。
3. 保存に最適な気温範囲は1-15℃です。1年保存したい場合、利用できるようであれば冷蔵庫を使いましょう。そうでなければ室温で30日以内に使い切りましょう。
まとめ
上記では、その植物自身で作られたFPJを対象の植物に使わない方がいいこともあるという書き方をしていますが、マレーシアの農家さんは割とそれには肯定的でした。目には目を。葉には葉を、という感じです。
私自身、FPJは作ったことがありますが、それを適用したものと適用しなかったものを比較はしていないので、今後自分で農場を始めたらその効果を自分の目で確かめてみたいと思いました(๑˃̵ᴗ˂̵)
参考
http://www.cgnfindia.com/fpj.html