こんにちは!Chihiroです(/・ω・)/
今回は韓国式自然農法パート2。
前回の記事ではざっくり韓国式自然農法のできた経緯や、基本となる考え方について見てきました。

今回はそこから一歩踏み込んで、
韓国式自然農法の理論について見ていきます(*・ω・)ノ
前回よりも少しだけ専門的で、農業における実践的な内容になります
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自然の力を利用すること
種子が歴史的に獲得してきた栄養素を使いましょう。
すべての種子は胚乳を持ちます。
胚乳とは種子にとって、人間で言うところの赤ちゃんへの母乳のようなものです。順応性や生きていくための力など必要不可欠な力が凝縮されています。
新芽は胚乳からしか栄養素を消費できません。もし窒素を吸収するよう促してしまうと、自然の状態を壊してしまうことになります。植物はベストな生産力を発揮するよう、潜在能力を発達させていくのです。種子はそのベストを尽くした結果出来上がったものです。すべての植物と家畜は栄養周期と呼ばれる管理方法の理論に基づいています。
IMO(土着微生物)を利用すること
自然農法では先住的な微生物(IMO:土着微生物)という、農業生産者自身で生産することのできるものに重点を置いています。自然農法は安全で、簡単に作れ、安く効果的な微生物を使用します。その土地で調和のとれた健全で活発な微生物と根とが協調関係を作ると、悪天候でも、気温が高かろうがひくかろうが、雨が長引こうが干ばつになろうが、植物が育つようになります。
微生物は葉の上や茎、地面の上ででバランスを取ります。
私たちが必要とする重要なバクテリアは、
炭素を吸収する光合成細菌、
窒素を吸収するアゾトバクター、
病気を抑える抗体、
糖類を分解する酵母菌、
嫌気状態で有機物を分解する乳酸菌、
そして巨大な力を発揮する、既知および未知の生命混合体であるIMOです。
すべての微生物は農場の近くから採集される必要があり、開放された土地から採集され、室温で培養されると、IMOはパワフルになり順応性を発揮します。
自然農法では化学肥料は使用しません。
元肥をせずに種を蒔きます。
窒素が最も重要であると考える生産者もいます。
しかし、元肥を与えてしまうと酸素不足でガスを放出し、根は息苦しさを覚えます。
自然農法では、種子が種子用溶液(SES: Seed treatment solution)で処理された後、自分たちの力で新しい生活を始めて生きます。発芽において唯一必要なことは、十分な酸素と適切な気温です。
肥料は主根や側根、根毛の成長促進のために与えられるべきではありません。
丈夫で短く、広い葉に対して与えるのは良いことです。
不耕起栽培
土地を耕すと、土は柔らかくなりますが、鉄鋼の鋤は土の集合体を粒子状に壊してしまい、雨が降ると堅い岩のように変わってしまいます。その一方、土の集合体派たくさん空気を含み、排水性が良いのです。それは微生物によい住処を与えるのです。
自然農法では土を耕しません。私たちは自然の耕作者を使います。好気性及び嫌気性細菌、菌類、ミミズ、ケラ、モグラが動員されます。
奇跡は2, 3年後に起こります。土が岩のように固い果樹園で自然農法を実践してみました。生産者は土を耕さず、IMOを使用し、栄養周期に従いました。
土に棒を刺してみると6倍もの長さまで刺さり、スポンジケーキのように土が柔らかくなりました。
IMOを使うと、土がゴム風船のように膨れ上がります。土地の中に生命が生きるだけのスペースがあるからです。
除草剤を使わないこと
不耕起というのは除草をしないことにも密接に関係しています。耕すと、埋まっている種を地表に持ち上げてしまいます。つまり土を耕すと言うのは、雑草の種子を放りちらすようなものです。雑草を発芽させ、再生産する前にコントロールすることです。雑草を刈り、マルチや動物の餌としましょう。あなたの土地は雑草がなくなります。マルチをしても雑草がなくならないなら、プラスチック製のマルチを使ってはいけません。プラスチック製のマルチは植物を窒息死させます。
米わらはマルチにベストです。なぜならたくさんの微生物が住み着いているからです。米わらは雑草の種子が発芽しないよう抑圧し、湿気を保ち、最適な気温を保ちます。自然農法では、雑草を防ぐために玄米酢を使います。
果樹園では雑草をそのままにしておきます。なぜなら雑草がそこにいるべき理由があるからです。これは「雑草マルチ」と呼ばれています。
ライ麦やクローバーなどの野生の雑草の役割は以下の通りです。
- 湿気を保つ
- 土を太陽光から守るための陰を与える
- 微生物や小さな動物に住処を与える
- 空気を土のなかに深く浸透させる
- 土壌浸食を防ぐ
- 栄養素を与えてる
雑草は取り除かれるべきではありません。なぜなら彼らは肥料であり、気温をコントロールし、湿気を保ち、土を覆い、疫病の制御者でもあるからです。
家畜排出物をまったく出さないこと
自然農法では、糞尿処理機は必要ありません。家畜の糞便は地面で微生物によって発酵されます。家畜用鍋はそれ自体に糞尿処理の機能があり、肥料を作り、餌を作ります。
これは微生物を活用することで実現し、物質の循環が形成されます。
人工的な力ではなく自然の力を利用することで可能なのです。
私が韓国式自然農法を学んだ農場では今のところ養鶏を行なっているのですが、確かに鶏舎に入っても全然臭いがしないんですよね。
上記の家畜排出物の項にあるように、微生物の分解が適切に機能していることも、臭いを軽減している要因の一つかなと感じます。
播種を減らし、収穫を増やす
自然農法はあまりたくさん植えないことを推奨しています。たくさん植えないというのは生産量が少ないと言う意味ではなく、密集させて植えないという意味です。自然農法は太陽光や空気といったような形のない栄養素に重点をおいています。植物がたくさん植えられないと十分な太陽光と良い空気循環を得ることができ、栄養素を取り合わなくても済みます。
競合がいなければ得られるものも多いのはどの世界でも同じですよね。
昔、1本のリンゴの木に1個しか実をつけないように栽培する方法で生産したリンゴが1個5千円〜数万円で売れているという話を聞いたことがあります( ̄▽ ̄;)
しかし競争相手がいることで「負けないぞ!」と競争心、頑張る力や生命力がついてくるという考え方もあるので、うちの農家さんはあまりこの方針には従っていなかったような気がします( ̄▽ ̄)
近くに同じ種類の植物を植えると地面下で根を通じて情報交換&助け合いしている説もあるので、同品種をある程度の間隔で植えて競合させたり相互関係を持たせてもいいかもしれませんね(*・ω・)ノ
まとめ
韓国式農法の理論、農業の実戦方針は上の通りですが、先にも述べているように、それをどこまで実践するかは農業生産者自身の裁量です。
学んだことを頷いて聞くだけではなく、自分なりに考え、良し悪しや落とし込みをしていくことも大切ですね。


参考
https://hawaiianparadisecoop.wordpress.com/2013/02/13/the-basics-of-korean-natural-farming-methods/